Rim 5 六角ネジの頭をなめらせてしまった場合、ネジのアタマに食い込ませ、破壊しながらゆるめる道具(スパイラルソケット)を使うという最終手段をとることとなります。ノンスリップソケットは、その一歩手前、わずかにネジに食い込みつつ、破壊までは至らないギリギリをねらったソケットです。コレを使用することで、わずかにボルトに食い込んだ跡が残りますが、おどろくほどのカッチリ感をもってゆるめることに成功します。構造上、ゆるめる方向(反時計回り)で食い込む部分があり、締め付ける方向(時計回り)では通常の六角ソケットとして作用します。たとえば自動車のエンジンルームには、長年の振動や固着により、おどろくほど強く固まっているボルトがしばしばあります。先日10万キロでスパークプラグを取り替えるために、インマニがエンジンの上に乗っており、脱着の必要があるタイプの自動車を整備することがありました。(日産車に多い)インテークマニホールドを固定する5本のネジ、ガチガチに固い上、せまいスペースであることから、ほんのわずかな角度のズレにより、ボルトのアタマがなめやすい構造になっています。やさしく力をかけるよりも、一発カッチリと思い切った力をかけたほうがゆるむものがありますので、このソケットは着実にトルクをかける道具としてとても有用でした。